【初心者向け】リスティング広告の「除外キーワード」設定方法と効果的な運用ガイド(Google・Yahoo対応)

リスティング広告を運用する上で、「除外キーワード」は非常に重要な機能です。適切に設定することで、広告の効果を大きく改善することができます。

この記事では、除外キーワードの基本的な概念から、効果的な選び方、具体的な設定方法、そして運用上の注意点までを詳しく解説します。

目次

はじめに|除外キーワードとは?なぜ設定が必要なのか

除外キーワードの定義

除外キーワードとは、特定の検索語句に対して、広告を表示させないようにする機能です。これは、登録した語句を含むキーワードで検索された場合に広告が表示されなくなるように設定するものです。

除外キーワード設定の目的・必要性

除外キーワードを設定する主な目的は、意図しない検索語句での広告表示やクリックを防ぎ、ビジネスの成果に結びつきにくい検索語句への投資を抑えるためです。

リスティング広告では、ユーザーが検索した語句(検索語句、または検索クエリ)に対して広告が表示されます。入稿したキーワードが「部分一致」などのマッチタイプで設定されている場合、関連性の高い語句だけでなく、拡張性の高さゆえに、ビジネスの成果に結びつきにくい検索語句にも広告が表示されてしまうことがあります。このような意図しない表示を防ぐために、除外キーワードの設定が重要になります。

除外キーワードを設定することによるメリットは多岐にわたります。

  • 無駄な費用の発生を防ぎ、広告予算の浪費を軽減できる。成果に繋がりにくい検索語句への投資を抑えられます。
  • 費用対効果(ROI)を高めることができる。より投資対効果の良い検索語句へ注力できるようになります。
  • ターゲットとするユーザーに特化した広告配信を可能にする
  • 関連性の低いキーワードでの広告表示が減少するため、広告のクリック率(CTR)が向上する可能性があります。
  • ターゲットユーザーに特化した配信により、コンバージョン率(CVR)の向上も期待できます。
  • 広告の品質スコア向上に繋がり、クリック単価(CPC)低減の可能性も生まれます。

このように、除外キーワードは、広告主は費用対効果を高め、ユーザーは本当に必要な情報が得られるという、双方にメリットのある機能と言えます。

除外キーワードを設定するメリット
  • 広告予算の無駄遣いを防ぎ、効率的な運用が可能に
  • 費用対効果(ROI)の向上
  • ターゲットユーザーに特化した配信の実現
  • クリック率(CTR)の改善
  • コンバージョン率(CVR)の向上
  • 品質スコアの改善によるクリック単価(CPC)の低減

【重要】除外キーワードのマッチタイプを正しく理解する

除外キーワードを効果的に使うためには、マッチタイプの理解が不可欠です。しかし、入稿する通常のキーワードのマッチタイプと、除外キーワードのマッチタイプは、仕様が異なる点に注意が必要です。これは非常に誤認されることが多い仕様です。

除外キーワードにおけるマッチタイプの種類

除外キーワードには、以下の3種類のマッチタイプがあります。

完全一致 ([]を使用)

登録した語句と検索語句が完全に一致した場合にのみ広告が表示されなくなります。別の語句を含まない、完全に一致するキーワードが同じ語順で検索に使用された場合に除外されます。

フレーズ一致 (""を使用)

登録した語句が検索語句に同じ語順で含まれる場合に広告が表示されなくなります。

インテントマッチ/部分一致 (記号なし)

キーワードに含まれるすべての語句が検索語句に含まれる場合に広告が表示されなくなります(語順は問わない)。

徹底的に除外するには、必要な類義語や表記ゆれなどのパターンを手動で追加する必要があります。例えば「スイーツ」を除外したい場合、「すいーつ」「スウィーツ」などのパターンも追加検討が必要です。

除外キーワードの「部分一致(インテントマッチ)」は、通常のキーワードのように類似拡張されません。つまり、類義語、単語の単数形や複数形、表記のゆれや誤字などの関連パターンは、自動では除外の対象になりません

通常の検索キーワードにおける「インテントマッチ」は関連する幅広い検索語句に対しても広告を表示しますが、除外キーワードの「インテントマッチ」は、キーワードに含まれるすべての語句が検索に使用された場合(語順を問わず)にのみ除外されるという仕様です。関連する幅広い検索語句が除外されるわけではありません。

検索キーワードと除外キーワードのマッチタイプ仕様比較表

今回は例として「ビジネス 書籍」を除外キーワードとして設定した場合の仕様比較表を考えてみましょう。

この表から、各マッチタイプによる除外の範囲が異なることがわかります。

  • 完全一致
    検索語句が「ビジネス 書籍」と完全に一致した場合にのみ広告が表示されなくなります。それ以外の「ビジネス 本」や「経営 書籍」、「ビジネス 書籍 青い」、「書籍 ビジネス」、「青い 本」といった検索語句では広告が表示されます。
  • フレーズ一致
    検索語句に「ビジネス 書籍」というフレーズがその語順どおりに含まれている場合に広告が表示されなくなります。したがって、「ビジネス 書籍」と「ビジネス 書籍 青い」で除外されます。語順が異なる「書籍 ビジネス」や、フレーズを含まない「ビジネス 本」、「経営 書籍」、「青い 本」では広告が表示されます。
  • インテントマッチ(部分一致)
    ソースの定義では、キーワードに含まれるすべての語句(「ビジネス」「書籍」)が検索に使用された場合(語順を問わず)に除外されます。ソースの「テニス シューズ」の例やソースの「部分一致」の説明(語順に関係なく登録キーワードがマッチしたら配信されない)に倣うと、「ビジネス 書籍」、「ビジネス 書籍 青い」、「書籍 ビジネス」といった、「ビジネス」と「書籍」の両方の語句が含まれる検索語句で除外されることになります。ただし、「ビジネス 本」や「経営 書籍」(類義語・表記ゆれ)、「青い 本」(無関係)では除外されず、広告が表示されます。

このように、同じ「ビジネス 書籍」を除外キーワードとして設定しても、マッチタイプによって広告が表示されるかどうかの基準が大きく変わります。特に、除外キーワードのインテントマッチ(部分一致)は、検索キーワードのインテントマッチ(部分一致)とは異なり、類義語や関連語句に自動的に拡張されて除外されるわけではないという点が重要です。

除外キーワードの部分一致/インテントマッチで類義語・表記ゆれが除外されない例

ここでは、例として「化粧水 おすすめ」をインテントマッチ(部分一致)の除外キーワードとして設定した場合に、類義語や表記ゆれが除外されない例を考えてみましょう。

この例からわかるように、「化粧水 おすすめ」というキーワードをインテントマッチ(部分一致)で除外しても、以下のような検索語句には広告が表示されてしまいます。

  • 「化粧水 安い」
    →含まれる語句は似ていますが、「おすすめ」とは異なる「安い」という意図を含む類義語が含まれている検索語句は除外されません。
  • 「けしょうすい おすすめ」
    →「化粧水」のひらがな表記ゆれですが、自動的に除外対象にはなりません。
  • 「コスメ おすすめ」
    →「化粧水」の類義語である「コスメ」を含む検索語句は除外されません。
  • 「スキンケア おすすめ」
    →「化粧水」に関連する広範な語句である「スキンケア」を含む検索語句も除外されません。

このように、除外キーワードでは類似拡張が適用されないため、徹底的に不要な検索語句を除外するためには、「化粧水 おすすめ」だけでなく、「けしょうすい おすすめ」「コスメ おすすめ」「スキンケア おすすめ」など、関連性の低い可能性のある類義語や表記ゆれ、関連語句を個別に除外キーワードとして登録する必要があります。

除外キーワードの共通特性と注意点

  • Google広告の除外キーワードは、基本的に語句が一致しないと除外されません。
  • スペースも一致していないと除外されない場合があります。例えば「シューズ おすすめ」を除外したい場合、「シューズおすすめ」と登録しても除外されません。
  • 除外キーワードとして設定できる記号は限られています。Google広告ではアンパサンド(&)、アクセント記号(á など)、アスタリスク(*)の3種類です。
    (詳しくは「Google広告ヘルプページ 除外キーワードについて」より)

これらの仕様を踏まえ、マッチタイプを選択する際は慎重になる必要があります。特にフレーズ一致やインテントマッチ(部分一致)は、除外範囲が広くなりすぎて機会損失が発生する可能性があります。

除外キーワードの選定に慣れるまでは、「完全一致」または「フレーズ一致」での設定が推奨されるケースもあります。

効果的な除外キーワードの選び方

除外キーワードは、機械的に除外するだけでは十分な効果は得られません。ビジネスの成果に繋がらない語句を見つけ出すためには、検索語句(クエリー)レポートを定期的に確認し、データに基づいた判断を行うことが重要です。

検索語句レポートを確認する

実際にユーザーがどのような検索語句で広告をクリックしたり、表示させたりしているかを確認するには、「検索語句レポート」を参照します。これは入稿した「キーワードレポート」とは異なりますので注意してください。

Google広告での確認方法
管理画面の「キャンペーン」メニュー内の「分析情報とレポート」>「検索語句」の順にクリックします。

Yahoo!広告での確認方法
管理画面の「キーワード」メニューにある「検索クエリー」をクリックします。

レポート期間の設定は重要です。今まで除外キーワードの設定をあまり行っていなかった場合は、半年や1年といった長い期間で確認することもおすすめです。

また、新しいキャンペーンなどで部分一致キーワードを多く使用している場合は、広告配信開始から短い期間(1日単位など)でこまめにチェックすることも有効です。

検索語句の分析手法と選定基準

検索語句の一覧を確認したら、以下の視点から除外すべきキーワードを選定していきます。

STEP
無駄な費用が発生している検索語句
  • レポートを費用(合計コスト)順に並べ替えて、コンバージョンがない、あるいはコンバージョンが少ないにもかかわらず、多くの費用がかかっている検索語句を確認します。損益分岐ラインを超える費用が発生しているかどうかも判断基準になります。
STEP
広告主の意に反している検索語句
  • クリック数順に並べ替えて、クリック数が1以上あるが、ビジネスとの関連性が低い語句を確認します。(表示回数が1以上でフィルターをかけると確認する検索語句のボリュームが増えるため)
  • インプレッション数順に並べ替えて、表示回数がそれなりの数あるにもかかわらず、クリック率(CTR)が極めて低い、またはクリックが発生していない語句を確認します。これは広告との関連性が低い、または狙いたいユーザーと合っていない可能性が高いです。
STEP
ビジネスの成果に結びつきにくい検索語句
  • コンバージョン順に並べ替えて、コンバージョンが発生していない語句を確認します。ただし、ビジネスに関連性があるにも関わらずコンバージョンが出ていない語句の除外は慎重に行うべきです。 なぜコンバージョンしていないのかを掘り下げ、改善の余地がないか検討することも重要です。特に、1件の獲得あたりの売上や利益が大きい商材、あるいはオンラインだけでなくオフラインでの来店なども考慮する必要がある商材の場合は、除外に非常に慎重になる必要があります。
  • 全体の成果、検索語句ごとのコンバージョン数、コスト(クリック数)、商材との関連性などを総合的に検討して選定します。

除外を検討すべき具体的なキーワード群

一般的に除外対象となりやすい、あるいは検討が必要なキーワード群としては以下が挙げられます。

  • 無関係な語句
    扱っている商材やサービスと全く関連性のない語句です。
  • ネガティブな語句
    「キャンセル」「返品」など、ネガティブな意図を含む語句です。
    ただし、「2ch(2ちゃんねる)」「ブラック」といった語句は、ユーザーの意図が必ずしもネガティブとは限らない場合(例:「2chで話題の商品」「本当にブラックなのか調べている」)もあるため、実際の掲載データを確認しながら慎重に判断することが推奨されます。
  • 商材のコンセプトと合わない語句
    例えば高級な商材を扱っている場合に、「安い」「わけあり」「中古」など、価格や状態を重視するユーザーが検索する語句です。
  • 競合他社名
    会社の方針によって判断が分かれるため、事前に社内で議論しておきましょう。ビジネスインパクトや競合との関係性、ブランドへの考え方も判断の助けとなります。
  • インフォメーショナルクエリ
    「wiki」「画像」「~とは」「方法」「やり方」など、情報を探索するために使用される語句です。
    一般的に成果に繋がりにくいケースが多いですが、一部獲得に繋がる可能性もあるため検討が必要です。 インフォメーショナルクエリとうまく付き合うことが、リスティング広告の成果最大化の肝とも言えます。

ユーザーの検索意図を確認することの重要性

除外キーワードを設定する際に、ユーザーの検索意図を正しく理解することは非常に重要です。自身の商材知識に頼りすぎて、ユーザーの検索意図を決めつけてしまうと、本来広告を表示すべき対象ユーザーへの機会損失に繋がるリスクがあります。

検索意図が不明な場合は、プライベートブラウザやシークレットウィンドウで実際にその語句を検索し、自然検索で上位に表示されるWebサイトの内容などを参考に、ユーザーの意図を判断する手助けとすることが推奨されます。

検索意図については、「【保存版】図解付き!検索意図に基づくトピッククラスターの作り方と内部リンク戦略」で詳しく解説しています

Google広告、Yahoo!広告での除外キーワードの設定方法

除外キーワードは、Google広告、Yahoo!広告ともに、いくつかの階層で設定することができます。

除外キーワードを設定できる階層

  • アカウント単位
    アカウント全体に除外設定を適用できます。非常に広範囲に影響するため、設定には特に慎重な判断が必要です。 アカウント単位で設定した除外キーワードは、関連するキャンペーンタイプ(検索、P-MAX、アプリ、ショッピング、スマートショッピング、スマートアシスト、ローカルキャンペーン)のすべての検索広告枠とショッピング広告枠に自動的に適用されます。 ※Google広告では1つのアカウントにつき最大1,000個までアカウント単位での除外キーワードを設定できます。
  • キャンペーン単位
    特定のキャンペーンにのみ除外設定を適用できます。キャンペーン単位で設定した除外キーワードは、そのキャンペーン配下のすべての広告グループに適用されます。共通して除外したいキーワードがある場合に効率的です。
  • 広告グループ単位
    特定の広告グループにのみ除外設定を適用できます。あまりに細かく設定しすぎると管理が難しくなるため、必要に応じてキャンペーン単位と使い分けましょう。

Google広告での具体的な設定手順

Google広告では、主に以下の2つの方法で除外キーワードを追加できます。

検索語句レポートから直接除外キーワードとして追加する方法

  1. 管理画面の「キーワード」メニューにある「除外キーワード」をクリックします。
  2. 表示された除外キーワード一覧画面で、青い「+」ボタンをクリックします。
  3. 「除外キーワードを追加、または新しいリストを作成」を選択します。
  4. 除外設定を行う階層(アカウント、キャンペーン、広告グループ)を選択します。キャンペーンや広告グループを選択した場合は、対象となるキャンペーンや広告グループを選択します。
  5. 除外したいキーワードを1行に1つずつ入力します。キーワードの入力方法によってマッチタイプが異なる点に注意してください。
  6. 入力したキーワードと選択した階層を確認し、「保存」をクリックして登録完了です。

除外キーワードメニューから手動で追加する方法

  1. 「キャンペーン」をクリックします。
  2. 「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」をクリックします。
  3. 「キーワード 」をクリックします。
  4. 「除外キーワード」をクリックします。
  5. 表示された除外キーワード一覧画面で、青い「+」ボタンをクリックします。
  6. 「除外キーワードを追加、または新しいリストを作成」を選択します。
  7. 除外設定を行う階層(アカウント、キャンペーン、広告グループ)を選択します。キャンペーンや広告グループを選択した場合は、対象となるキャンペーンや広告グループを選択します。
  8. 除外したいキーワードを1行に1つずつ入力します。キーワードの入力方法によってマッチタイプが異なる点に注意してください。
  9. 入力したキーワードと選択した階層を確認し、「保存」をクリックして登録完了です。

アカウント単位での設定方法

  1. アカウント単位で除外キーワードを設定する場合、管理画面の左にある「管理者」を選択します。
  2. 「アカウント設定」をクリックします。
  3. アカウント設定画面の中に「除外キーワード(Negative keywords)」の項目があるので、それをクリックし、「+」ボタンをクリックし、キーワードを入力して追加します。 ※アカウント単位での設定は、その影響範囲の広さから非常に慎重に行う必要があります。

除外キーワードリストを活用した効率的な管理

複数のキャンペーンに同一の除外キーワードを設定したい場合など、管理を効率化するには除外キーワードリスト(対象外キーワードリスト)の活用がおすすめです。

除外キーワードリストとは・・

複数のキャンペーンで共通して除外したいキーワードをまとめて管理できる機能です。リストを作成し、そこに除外したいキーワードを登録することで、必要なキャンペーンに一括で適用することができます。

この機能を活用することで、同じ除外キーワードを複数のキャンペーンに個別に設定する手間が省け、運用効率が大幅に向上します。また、除外キーワードの追加や削除もリスト単位で一括管理できるため、変更が生じた際の作業時間を削減できます。

ただし、新規キャンペーン作成時には、作成したリストの紐づけを忘れないよう注意が必要です。

Google広告とYahoo!広告それぞれで、メニューから除外キーワードリストを作成できます。

作成したリストに除外したいキーワードを登録し、そのリストを任意のキャンペーンに紐づけることで、リスト内の除外キーワードをまとめて適用できます。

「全てのキャンペーンで除外したい」という共通のキーワードがある場合は、リストを作成して各キャンペーンに紐づけて管理すると効率的です。

ただし、新しいキャンペーンを作成した際に、この除外キーワードリストの紐づけを忘れてしまうと、除外は適用されないため注意が必要です。

Google広告での除外キーワードリストの作成方法

  1. 「ツール」をクリックします。
  2. 「共有ライブラリ」をクリックします。
  3. 「除外リスト」をクリックします。
  4. 「+」マークをクリックして、除外キーワードリストを作成します。

Yahoo!広告での除外キーワードリストの作成方法

  1. 画面右上にある「ツール」をクリックします。
  2. 表示されるメニューから、「ライブラリー」の「対象外キーワードリスト」をクリックします。
  3. 「対象外キーワードリストを作成」ボタンをクリックします。

除外キーワード設定時の注意点

除外キーワード設定を間違えると、思わぬ機会損失に繋がることもあります。以下の点に注意しましょう。

  • 除外キーワードのマッチタイプの仕様を誤解しない
    前述のとおり、除外キーワードでは類似パターン(類義語、単数/複数形、表記揺れ、誤字など)が自動で除外されません。必要なパターンは手動で追加する必要があります。例えば、「スイーツ 激安」を除外キーワードにしても、「すいーつ 激安」や「スウィーツ 激安」は自動では除外されません。
  • 過度な除外は機会損失を招く可能性がある
    成果に繋がっていないからといって、考えなしにバシバシ除外してしまうのは避けるべきです。ビジネス成長を阻害する可能性があります。コンバージョン単価を下げることに固執しすぎず、データと向き合い、商材やユーザーとの関連性を加味して判断することが重要です。
  • 長すぎる検索語句への注意
    Google広告では17語以上、Yahoo!広告では11語以上の語句で検索された場合、後半の語句に除外キーワードが含まれていても、除外設定が適用されないことがあるという仕様があります。これはレアケースですが、知識として覚えておくと冷静に対応できます.
  • Googleディスプレイネットワーク(GDN)における扱いの違い
    検索広告における除外キーワードの扱いはGDNとは異なります。GDNに除外キーワードを設定した場合、関連するコンテンツページへの表示を抑制できる可能性があります。しかし、リマーケティングなど人(ユーザーリスト)に紐づく広告で除外キーワードを設定すると、本来リーチすべきユーザーへの表示機会を失う可能性があるため注意が必要です。
  • 検索語句レポートの参照期間
    除外キーワードを選定する際に参照する検索語句レポートの期間が適切か、毎回確認しましょう。特に前回確認時と期間が重複していると、すでに除外した語句が表示されていることを見てしまい、正しく除外できていないと誤解する可能性があります。
  • 検索キーワードと検索語句の意味の違い
    管理画面に登録した「検索キーワード」と、ユーザーが実際に検索した「検索語句(検索クエリ)」は意味が異なります。除外の判断は、常にユーザーが実際に検索した検索語句を見て行います。
  • 検索意図を決めつけない
    自身の知識や経験だけでユーザーの検索意図を決めつけず、実際に検索してみるなどして確認を怠らないようにしましょう。

除外キーワードの効果的な運用ポイント

除外キーワードの設定は、一度行えば終わりではありません。広告効果を最大限に引き出すためには、継続的な運用が必要です。

  • 継続的に検索語句レポートを確認し、除外キーワードを追加する
    部分一致キーワードは新しい語句を拾ってくる可能性があるため、定期的に(例えば週に1回30分など)検索語句レポートを確認し、無関係な語句や成果に繋がらない語句を除外キーワードとして追加する作業を行うことが重要です。
  • 登録済みの除外キーワードを定期的に見直す
    登録済みの除外キーワードリストも、ビジネスの変化(新しい商材の追加など)に合わせて見直しが必要です。除外キーワードの運用は属人的になりがちなので、社内でのルール化や、複数の担当者で定期的にチェックする体制を検討すると、機会損失のリスク軽減に繋がります。
  • 効率化のために除外するルールの基準を決めておく
    すべての検索語句を詳細に検討するのは非現実的なため、例えば「過去〇ヶ月で〇〇円以上の費用が発生しているが、コンバージョンが〇件以下の検索語句」といった、具体的な基準を決めておくと効率的に作業を進められます。
  • 除外キーワード運用は、検索キーワード運用とは異なる考え方が必要
    検索キーワードは自動追加が主流になりつつありますが、除外キーワードは基本的に手動での追加作業が必要です。この違いを理解しておきましょう。
  • 除外キーワードはあくまで広告運用改善の一部
    除外キーワードの運用は重要ですが、それだけにとらわれず、広告文、ランディングページ、入札設定など、広告全体を俯瞰してバランスよく改善していくことが、最も効果的です。
  • 検索キーワードより除外キーワードの設定数が多くなることを目指す
    効果的な運用では、検索キーワードの数よりも除外キーワードの数の方が多くなることを目指すのが一般的です。コツコツと除外キーワードを追加していく意識を持ちましょう。

まとめ

除外キーワードは、リスティング広告において無駄な配信を防ぎ、広告費の効率を高めるために重要な機能です。マッチタイプには「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」があり、通常の検索キーワードと異なり、類義語や表記ゆれは自動で補完されないため、手動で追加する必要があります。

効果的な運用には、検索語句レポートを定期的に確認し、費用や成果、検索意図を踏まえて除外対象を判断することが大切です。除外キーワードは階層ごとに設定でき、リストを活用すれば複数キャンペーンへの一括適用も可能です。また、一度設定して終わりではなく、継続的な見直しが効果最大化の鍵となります。

よくある質問

Q:英語の大文字・小文字は表記ゆれとして都度除外キーワードに入れたほうがいいですか?

A:Google広告に関しては、英語の大文字・小文字は表記ゆれとして認識されるため、異なる大文字・小文字のパターンを個別に除外キーワードとして登録する必要はありません。アルファベット単位で除外する認識で問題ありません。

この記事を書いた人

morihiro okimaのアバター morihiro okima コンサルタント

広告代理店やInsurtech、Greentechなど成長分野でマーケティング経験を積み、100件以上の広告アカウント運用実績を持つマーケティングコンサルタント。現在はcircleにて広告運用やコンサルティングを担い、幅広い業界で培った実践的なアプローチで企業の成長を支援。広告運用、データ分析、マーケティング戦略立案から実行までを包括的にサポートしている。

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