SaaS指標の意味と計算式がすぐ分かる！完全早見ガイド【保存版】

SaaSビジネスで使われる重要な指標と用語を、分かりやすく一覧にまとめました。それぞれの意味と計算式を簡潔に解説していますので、必要な時にすぐに確認できます。

SaaSの分類

Horizontal SaaS（ホリゾンタル）

業種を問わず汎用的な機能を提供（例：会計、人事、ビジネスチャット）

Vertical SaaS（バーティカル）

特定の業種・業界に特化した機能を提供（例：医療業界向け電子カルテ）

収益・成長性の指標

用語	意味	主な計算式例
MRR	月間定期収益（毎月発生する収益）	月額利用料 × 顧客数
ARR	年間定期収益（MRR × 12ヶ月）	MRR × 12
CMRR	契約済み月次経常収益	契約済みMRR合計（将来含む）
ARPA	アカウントあたりの平均収益	総売上 ÷ アカウント数
ARPU	ユーザーあたりの平均収益	総売上 ÷ ユーザー数
ASP	新規顧客の平均収益	新規売上 ÷ 新規顧客数
ACV	年間契約金額	年間契約に含まれる全費用の合計
TCV	契約期間全体の合計金額	単年契約金額 × 契約年数（+初期費用）
Quick Ratio	成長速度	(New MRR + Expansion MRR) ÷ (Churn MRR + Contraction MRR)
Expansion	顧客の収益拡大（アップグレードなど）	–
Contraction	顧客の収益縮小（ダウングレードなど）	–

投資回収・採算性

用語	意味	主な計算式例
CAC	顧客獲得単価	顧客獲得費用 ÷ 新規顧客数
CAC Payback Period	顧客獲得コストの回収期間	CAC ÷ (ARPU × 売上総利益率)
LTV	顧客生涯価値	ARPU × 平均継続月数（または LTV = ARPU × 継続期間）
Unit Economics	採算性	LTV ÷ CAC
Burn Rate	月間資金消費額	月間支出額 – 月間収益額
Runway	資金が尽きるまでの期間	現在の資金 ÷ Burn Rate
ZCD	資金が尽きる日付	今日の日付 + Runway月数
T2D3	急成長戦略（3倍→2倍成長）	–
Rule of 40%	成長と利益の健全指標	ARR成長率 + 利益率
ROI	投資利益率	(利益 ÷ 投資額) × 100
ROAS	広告費用対効果	売上 ÷ 広告費 × 100
CPE	エンゲージメント単価	広告費用 ÷ エンゲージメント数

ユーザー状態・継続性

用語	意味	主な計算式例
AU	アクティブユーザー（期間内の利用者）	–
DAU / MAU	日間 / 月間アクティブユーザー	–
Stickiness	ユーザー粘着度	(DAU ÷ MAU) × 100
RFV	利用頻度分析（Recency, Frequency, Volume）	–
NPS	顧客推奨度	(%プロモーター – %デトラクター) × 100
NRS	顧客継続意欲	アンケートによる独自スコア
CRR	顧客維持率	継続顧客数 ÷ 開始時点の顧客数 × 100
Churn Rate	解約率	解約数 ÷ 前月末顧客数 × 100
NRR	純売上保持率	(既存顧客からの現在売上 ÷ 過去売上) × 100
Net Churn Rate	純減率	(失収益 – 増収益) ÷ 前月売上 × 100
Negative Churn	収益の純増	Net Churnがマイナス、またはNRR > 100
Customer Renewal Rate	契約更新率	更新顧客数 ÷ 契約満了顧客数 × 100
F2転換率	2回目利用率	2回目利用者数 ÷ 新規顧客数 × 100

営業・マーケティング

用語	意味	主な計算式例
Lead	見込み顧客	–
MQL / SQL	マーケ / セールス有望顧客	–
CVR	コンバージョン率	成果数 ÷ 訪問数 × 100
SDR / BDR	内勤営業の種別（反響対応 / 新規開拓）	–
AE / AM	新規営業 / 既存営業	–
BANT条件	予算・決裁権などの要件	–
Self Serve	顧客によるセルフ登録	–
SLG / PLG / CLG	成長モデルの分類	–

契約・品質保証

用語	意味	主な計算式例
SLA	サービス品質保証	例: 月間稼働率 = (稼働時間 ÷ 全体時間) × 100
SLO	内部サービス目標	–
SLI	指標（可用性、応答時間など）	–
Premium Service	個別対応サービス	–

市場・戦略

用語	意味	主な計算式例
TAM	理論上の市場規模	–
SAM	提供可能な市場規模	–
SOM	実際に狙える市場規模	–
PMF	製品と市場の適合度	-（定性的評価）

おわりに

SaaSビジネスにおいて、収益性や成長性を把握するには特有の用語・指標理解が不可欠です。

本記事で紹介した用語や計算式を活用することで、事業の現状把握、戦略立案、KPI管理、投資判断、営業・マーケティング活動などに役立つはずです。社内外の共通言語としても有効に機能します。

ぜひ実務における「辞書」として繰り返し参照しながら、ご活用ください。

より詳しい用語解説はこちらの記事よりご確認ください。